Pastore-Organista’s diary

リードオルガンと聖書のお話のブログです。

受胎告知

早いものでもう11月の後半、あと一週間ちょっとでクリスマスを待ち望むアドベントが始まります。

クリスマスは、神の独り子イエス・キリストがこの世界に生まれてくださったことのお祝いの日です。

エスは神の子なので、イエス自身も神ということになります。

「神」という言葉を聞くと、自分とは遠い存在、異質な存在と感じるかもしれません。しかし、イエス・キリストは、私たちと同じような人間となって、しかも私たちが生まれたときと同じように赤ちゃんとしてこの世界に来られました(そのことを「降誕」と言います)。

 

エスはこの世界に、マリアという一人の女性を母として生まれて来られました。マリアのところに神の霊が降り、神の力によって身ごもり、男の子イエスを産んだのです。

それに先立って、マリアが神の子の母として選ばれたことが、天使によってマリアに告げられていました。それが絵画などで有名な「受胎告知」という場面です。

 

ルカによる福音書1章30-31節にこのように書かれています:

天使は言った。「マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。あなたは身ごもって男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。」

この言葉をマリアは受け入れ、「お言葉どおり、この身になりますように」と答えたのでした。

 

今回は、フランスのティトゥルーズ(c.1562/63–1633)の「第一旋法のマニフィカート」より「私の魂は主を崇め」をご紹介します。

「マニフィカート」は「マリアの賛歌」とも呼ばれ、神の子イエスを授けられたマリアが、主なる神を賛美した言葉(ルカによる福音書1章に書かれています)のことを指し、さらにはその言葉を歌詞とした聖歌のことを指します。

その聖歌のメロディをもとにして作られた曲集の冒頭を飾るのが、この作品です。

ティトゥルーズはフランス古典初期の作曲家ですが、その前の時代のルネッサンス的なものを多分に受け継いでいると言われます。

そのような古めかしさが、かえってマリアのまっすぐな信仰を表しているように感じられ、襟を正したくなる雰囲気の中にも感謝の思いがあふれている、魅力的な小品だと思います。

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