二つの戒め
3月2日から、教会では「レント(四旬節)」という期間に入っています。
レントとは、「イースター(復活祭)前の、日曜日を除く40日間」のことです。
この期間の終わりに、イエス・キリストの十字架を記念する受難日(聖金曜日などとも呼びます)があり、十字架を覚えて悔い改める期間とされています。
私たちは、何を「悔い改め」たらいいのでしょうか。
もちろん、主の前に罪とされることを犯していたらそれを悔い改めるということなのですが、具体的にはどういうことが考えられるでしょうか。
イエス・キリストは、ある時「旧約聖書の律法の中で、どの戒めが最も重要でしょうか」とたずねられた時、次のように答えられました。
「心を尽くし、魂を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。」これが最も重要な第一の戒めである。第二も、これと同じように重要である。「隣人を自分のように愛しなさい。」
(マタイによる福音書22章37~39節)
私たちは、目に見えない神のことを、しばしば忘れて過ごしてしまいます。
また、どうしても人のことを思うということをなおざりにしてしまいます。
イエスが「この二つが最も大切」とおっしゃっている以上、これらを守ることができていない自分を見出した時、それを悔い改めるということなのではないでしょうか。
イエスの歩みは、文字通り「父なる神を愛し、私たち人間を愛する」という歩みそのものでした。
イエスの十字架への道を想うこの時期、ぜひこの方の語られた二つの戒めに照らして、自らの歩みを省みたいと思いました。
動画は、フレスコバルディの「ラ、ソ、ファ、レ、ミによるカプリッチョ」の最初の部分です。
こういう時期ですので、黙想するのにぴったりな曲、ということで選びました。