神の前で共に喜ぶ
最近、重い曲が続きましたので、楽しい曲をご紹介します。
イタリアのジュゼッペ・ゲラルデスキ(1759-1815)の作った、「アレグレット」です。
岐阜県白川町の町民会館の、イタリア・バロック様式のパイプオルガン(辻オルガン制作)で演奏しました。
この曲は、「ヴェルセット」と呼ばれる曲の中の一曲で、ミサの時にグレゴリオ聖歌の歌唱と交互に演奏するために作られた曲です。
可愛らしく、短い作品ですが、れっきとした教会音楽なのです。
旧約聖書の申命記(しんめいき)というところに、次のような言葉があります:
あなたがたの神、主の前で、あなたがたも家族も共に食べ、あなたの神、主が祝福してくださったすべての手の業を楽しみなさい。(申命記12章7節)
この言葉は何のことを言っているかというと、礼拝のことなのです。
当時の礼拝は、現代とは異なり動物のいけにえをささげるという形でした。
いけにえの種類によっては、ささげた人たちが食べることができるものがありました。
それを皆で食べて、主なる神の前で喜びなさいと書かれており、それが礼拝の本質と言っていいものでした。
現代の教会の礼拝では、いけにえをささげるという形ではなく、賛美歌を歌ったり聖書の話(説教)を聞いたりする形となっていますが、礼拝の本質は変わりません。
現代は現代の形で、「主なる神の前で、皆で共に喜ぶ」という礼拝を行っているわけです。
このような曲は、礼拝の喜びを感じるのにぴったりの曲だと思います。