彡 風のようにさわやかな音楽
聖書は、「全世界を造り、人間を造ったのは主なる神である」という記述から始まります。
主なる神は、ご自分が造った最初の人間-アダムとエバを、「エデンの園」というところに住まわせました。
そこは、いろいろな木が生えていて、木になる実を好きなだけ食べて平和に生きていけるところでした。
あるとき、主なる神は一つの約束を人間と交わされました。それは、「善悪の知識の木」と呼ばれる木からは実を取って食べない、というものでした。
これは、人間がつねに神を意識して、神とともに歩むことの象徴として約束を交わしたのだ、と考えるのがいいと思います。
「約束」は、相手が自分を愛してくれているゆえに交わすものである場合、それは「自分を拘束するもの」ではなく、「愛の証としての喜びの象徴」だと言えると思います。
結婚式の誓約などまさにそうであり、エデンの園で神と人間が交わした約束もそのようなものであったことでしょう。
今回は、コレッリ(1653-1713)というイタリアの作曲家が作ったコンチェルトから一曲、「アレグロ ~合奏協奏曲 作品6-7 第3楽章」をご紹介します。
これは、彼の「教会協奏曲」と呼ばれるジャンルの作品を、ビリントンという人が鍵盤楽器用に編曲したものです。
チェンバロやパイプオルガンでの演奏を念頭に編曲されたものだと考えられますが、もともとは弦楽器で演奏する曲ですので、弦の響きに少し似通ったところのあるリードオルガンにぴったりだと思います。
シンプルな動機が、あるときは滑らかに、あるときは立ち止まりつつ流れていくメロディが、さわやかな風のような印象を与える曲です。
エデンの園での生活はこんな雰囲気だったのだろうな、と想像しています。