Pastore-Organista’s diary

リードオルガンと聖書のお話のブログです。

今回は楽しい曲で \(^o^)/

前回は「悲しみ」を感じさせる曲でしたので、今回は楽しい曲にしたいと思います。

イタリアの作曲家ガエターノ・ヴァレリ(1760-1822)の作曲したオルガン曲「ソナタ第5番」を弾きました。

シンプルな和声と親しみやすいメロディで、年代的にも近いピアノの「ソナチネアルバム」を思わせる作品です。

楽譜には、この作品がどのような用途のために作られたか明記してありませんが、オルガン曲ですので教会の礼拝(ミサ)で使われることももちろんあったと思います。

もしミサで使われるとしたら、どのような場面で使われただろうと考えたのですが、「聖体拝領後(Post Communio;綴りは何パターンかあるようです)」のために弾かれたのではないかと思います。

「聖体拝領」というのは、ぶどう酒(イエス・キリストが十字架で流された血を表す)とパン(十字架で裂かれたキリストの体を表す)をいただいて、十字架を思い起こすために行われるものです。

☆ただし、ぶどう酒は司祭だけが飲み、パンを皆でいただきます。

☆ちなみに、プロテスタント教会では同じような儀式を「聖餐式」と呼び、ぶどう酒もパンも全員がいただきます。

「聖体拝領後」というのは、十字架を覚えるという、深い内省的な時間の後に弾かれる音楽ですので、十字架にかかられたキリストに感謝し、キリストによって救われた喜びを表現する音楽ということになります。

そのため、「聖体拝領後」とタイトルの付いた曲は、明るく楽しい曲が多いです。

ヴァレリの「ソナタ第5番」は、まさにそれにぴったりの曲である、と言えます。

 

実は、前回書きました「罪という問題の解決」のために行われたのが十字架なのです。

「罪=神との関係の破壊」というような暗く重い現実を喜びに変えていく力が、聖書のメッセージ-特に十字架にはあるのです。

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