天使たちが歌った賛美 ☆彡
グレゴリオ聖歌にはいくつかのミサのための歌が収められていて、それぞれのミサには ”Gloria” (日本語で「栄光の賛歌」)という歌があります。
これは、「天のいと高きところには神に栄光、地には善意の人に平和あれ」という言葉に始まり、神の栄光をたたえる歌詞を持つ歌です。
実はこの言葉、イエス・キリストが降誕されたときに、天の軍勢が高らかに歌った賛美の言葉なんです(ルカによる福音書2章に記されています)。
クリスマスを目前に控えたアドベントの季節に入りましたので、この「栄光の賛歌」に関わる作品を紹介していきたいと思います。
今回から数回にわたって、18世紀イタリアの「栄光の賛歌」(作曲者不詳)をアップしたいと思います。
”Gloria” を一節ずつ、グレゴリオ聖歌の歌唱とオルガン演奏で交互に奏でる、「アルテルナティム」と呼ばれる様式のために作られた作品です。
今回の作品は、「我ら主をたたえん」と歌う部分に該当するオルガン曲です。
小さなフーガの形式で書かれており、テーマが4回出てきますが、完全な4声ではなく、自由な書き方で作られています。
声部数を減らして難易度を下げたとも言えますが、いろいろなことに気を遣いながら行わなければならないミサ奏楽のための作品としては、ふさわしい工夫なのではないかと思います。